韓国の就職氷河期:日韓の若者たちができること

    1. 韓国歴史・文化

    韓国では深刻な就職氷河期が訪れています。日本も過去に同様の時期を経験しましたが、ここ数年は回復傾向にあるようです。しかし、韓国では依然として就職率が低迷しており、若者たちの間には不安が広がっています。

    ところが韓国では今まさに就職氷河期を迎えているため、昨年より大卒予定者の就職内定率があがった日本が少々うらやましいようです。

    韓国の就職氷河期:日韓の若者たちができること

    就職の是非

    労働環境の問題

    韓国から見た日本の状況は、果たしてうらやましいことなのでしょうか。確かに就職することは、生きていくための収入源であり、お金があればなんでもできるかもしれません。

    しかし働き方の問題や、ブラック企業などと言われる企業が増えていることもあり、一概に就職できたことがいいことだとは言えない状況に陥る場合もありますね。

    日本でも労働基準法を大幅に超えるある大手企業が捜査対象となりました。、いくら学歴が高いとはいえ病気になったらもともこもありません。

    長い労働時間

    韓国の労働環境の課題に対処し、就職氷の困難を乗り越えながら、書類の山を抱えて机に座る男性

    働き方に対しても、疑問が増えてきています。残業・休日出勤は当たり前。特に韓国では主要国の中で、かなり労働時間が長くなっています。

    確かに韓国の友人たちに聞いてみると「土曜日は出勤してました。」とたくさんの人が答えました。

    仕事量が多いのかそれとも効率が悪いのか、はたまた人員削減なのなのか。企業によって違うのではっきりしたことは言えませんが、とにかく働きすぎです。

    しかし韓国では、若年層の就職率は低迷中であることから、日本での大卒予定者の就職内定率の良さがうらやましく見えるのかもしれませんね。

    教育と就職

    高等教育制度の問題

    しかし実際、現在の日本では大卒だけでは就職できない場合も多く見られます。

    とある大企業の人事部の人に聞いてみたところ、大学と企業の間ではギャップがあることがわかりました。

    これは日本の大学・塾産業にもかかわってきており、日本の高等教育制度が変わらないということを表しているようです。

    塾産業は韓国でも盛んであり、なかなか高等教育制度が変わることは難しいのでしょうね。

    しかしフィンランドでは、宿題もないという教育なのだが、世界トップの学力を有しています。これは何を意味するのでしょうか?

    韓国と日本の高等教育制度を批判するわけではありませんが、制度そのものに疑問を感じざるを得ません。

    企業が求める人材とのギャップ

    眼鏡をかけた赤ちゃんが机に座って書き物をしており、愛らしい学力の可能性を示しています。

    また就職率がいいからといって、本人たちが仕事ができるとは限りません。

    企業は実践型を求めているうえ、現代の時代の流れに乗れる人材を求めています。つまり、指示されなければ働けない人材は必要ないということ。

    日本や韓国の教育は、「暗記型」がメインのため、今の時代にはあっていないといえるでしょう。

    教育を批判するつもりはありませんが、教育のあり方は社会全体で考えていかなければいけないことではないでしょうか。

    少子高齢化問題に直面している韓国と日本ならではの問題でもありますが、未来ある子供たちに対することをもっと真剣に考えていかなければなりませんね。

    自立を促す教育を

    就職率にこだわるより、就職ができる「自立した子供を育てやすい環境を作る」ことが先決なのではと思われます。

    私も子育てをしている立場として、この問題を考えていきたいと思っています。両国間での教育交流があってもいいかもしれませんね。

    就職した?

    会話

    : 민우엄마, 민우는 취직했어요?

    ミヌママ、ミヌは就職した?

    : 아니요. 아직이요.

    いいえ、まだよ。

    : 왜요? 민우는 영어,중국어를 잘하잖아요…

    どうして?ミヌは英語、中国語ができるじゃないの

    日本と韓国の就職事情

    韓国でも日本でも今や「少子高齢化」時代を迎え、若者達の就職や失業について問題視されています。

    日本では

    日本では、「オワハラ」という言葉ありますよね。

    就職活動中の学生に対し、企業側が学生に対し「内定を出すから他企業の就職活動を終わらせてくれ」ということが学生達を追い込んでいるようです。

    韓国では

    では、韓国の就職活動はどうでしょうか?

    韓国では、基本的に男子の場合、20歳以上になれば、軍隊に行かなければなりません

    そして、軍隊に行く時期は人それぞれのようですが、大学を約2年間休学して軍隊に行く場合が多いようです。

    その後復学し卒業に向け、就職活動に向け動いていくので、男子の場合は卒業が日本より遅くなります。

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    就職の時期

    日本では、浪人や留学などしていなければ、4年制の大学であれば22歳、2年制の大学であれば20歳、高校卒業では18歳くらいに。

    専門学校ではそれぞれ年数がありますが、基本的には18歳から23~4歳の間に就職をすることになります。

    一方韓国では、女性は日本と同じような場合が多いですが、男性に限っては、日本よりも2年は確実に遅くなります。

    資格重視の韓国

    韓国人の中ではそれが当たり前なので、年齢より資格なども重要となるようです。

    また、韓国の大手企業においては、外国語が昇進に関わることが多く、日本語をはじめ、中国語や英語など2か国語から3か国語を話せることも必須に近いようですよ。

    最近の日本でも資格や経歴など重視されることも多くなってきたようですが、外国語をそこまで重視しているのかはわかりません。

    カプジルとヘル朝鮮

    また、韓国では若者の失業も増加しているようです。

    갑질(カプジル)」という言葉が生まれたり「헬조선(ヘル朝鮮)」という言葉が生まれたりと、韓国社会をうまく表しているようです。

    カプジルとは「権力者や強者が弱者に対し脅したりするようなこと」であり、ヘル朝鮮とは「地獄のような朝鮮」という意味です。

    労働問題や経済問題などの社会問題などを表しているそうです。

    このように、日本や韓国では若者の就職活動が厳しい状況となっています。

    インターン

    それから、韓国は日本と違い学校は3月から新しい学年や入学を迎えます。

    一か月早いのですが、卒業してすぐに就職ということよりは、卒業前からインターシップとして、会社に行く場合もあるようです。

    日本ではわかりませんが、卒業前から会社に慣れるということはいいのかもしれませんね。

    しかし、人気の企業には若者達の応募数がとても多く、倍率にしたら100倍なんていうのもあるんだとか・・・反対に中小企業などの応募は少ないようです。

    コネ入社

    最近、日本では「コネ入社」は減ってきているとは思いますが、韓国では「낙하산(落下傘)」という言葉が使われています。

    「コネ入社」について、私は反対派ですが、皆さんはどうでしょうか?

    韓国ドラマなどでもありがちな話ですが、こればかりは私も本当にあるのか確認したことがないので、韓国人の友人に機会があれば聞いてみたいと思います。

    日本よりも韓国の方が若者の就職については厳しいようですが、若者達も海外へ出たり、様々な努力はしているようです。

    そんな若者達には国籍問わず、がんばってほしいですね。

    会話

    가: 오늘 면접 보러 갔는데…

    今日面接に行ったんだけど

    나: 어땠어?

    どうだった?

    가: 글쎄… TOEIC점수가 모자라서… 안 될 것 같아.

    どうだろう・・・TOEICの点数が足りなくて、ダメそう

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