韓国のビジネススタイルはイガ栗と同じ?

  1. 韓国歴史・文化

日本のビジネスが規則や原則を重視するとしたら、韓国のビジネスは融通性とスピードを重視します。

それがたまに日韓ビジネスのトラブルの元になることがあります。

韓国のビジネススタイルはイガ栗と同じ?

韓国人は「빨리빨리(早く早く)文化」に慣れているので、環境の変化に適応する能力が高く、不可能に思われることを可能にする融通性やスピードがあります。

しかし、このような仕事の進め方の違いによって日本のビジネスマンが面食らう場面もしばしばあるようです。

たとえば、韓国人は契約書を作成するにしても、状況が変われば修正しても構わないという主義です。

だから、たとえ契約書を作成したとしても、必ずしもその規則や原則通りに行われない可能性もあることを覚悟しておかなければなりません。

韓国式ビジネスの注意点

特に約束やスケジュール、また書面による報告を重視する日本人がもっとも面食らうのが、韓国人が口頭で「できます」「問題ありません」と約束したにもかかわらず、その約束が履行されない時です。

だから、重要な約束は必ず書面で記録を残しておく必要があります。

プライドと体面を重んじる韓国人とのビジネス

褒め言葉が必須

しかし、このような仕事のやり方の違いによってトラブルが起きたとしても、腹を立てるのは逆効果になるので、ほめ言葉と指摘を適切に駆使した表現を用いることをお勧めします。

プライドと体面を重んじる韓国人とのビジネスにおいて、ほめ言葉と指摘を適切に駆使した話術は、ビジネス成功の近道だとも言えるでしょう。

しかし、ほめる時の注意点は、周囲のねたみを引き起こさないように、「さすが金代理!」ではなく、「中々のアイディアだね」「すばらしいデザインだね」という風にほめなければいけません。

韓国人のプライドへの儒教の影響

韓国人がプライドと体面を重視するようになった背景は、儒教の影響だと言えます。

これによって目上の人を敬う「長幼有序」(年長者と年少者の間で守るべき秩序)をよく守る人は、礼儀正しい人だという印象がもたれるようになりました。

テーブルの上の韓国栗。

イガ栗のような韓国スタイル

私は栗が大好きですが、栗の皮をむくのがへただったので、イガつきの栗を両手いっぱいにひろっては祖母のところにもっていったものです。

祖母が道具も使わず、고무신(ゴムシン:ゴムでできた履物)をはいた片足でキュッキュッと2回ほど踏むと、まるで魔法のように栗の実が飛び出てくるので、はしゃぎながら栗の実を拾い集めたことを思い出します。

プライドと体面というイガの中に実がギュッとつまっている韓国のビジネススタイルは、まるで栗のようだといえるのではないでしょうか。

中の実をだすためには、「イガをむく」というひと手間が必要ですが、むく技術さえ習得すれば、簡単に実をとりだして集めることができますね。

韓国語表現

훌륭한 디자인이군!!-素晴らしいデザインだな!!

감사합니다-ありがとうございます

会話

스즈키과장: 훌륭한 디자인이군.(フルリュンハン ディザイニグン)

鈴木課長:素晴らしいデザインだな。

성광: 감사합니다.(カムサ ハムニダ)

ソンガン:ありがとうございます。

스즈키과장:그런데 납품 날짜가 언제였지?(クロンデ ナップン ナルチャガ オンジェヨッチ?)

鈴木課長:ところで、納品日はいつだったかな?

성광: 내일입니다.(ネイリムニダ)

ソンガン:明日です。

스즈키과장: 고생하는군. 잘 부탁하네.(コセン ハヌングン チャル プタッカネ)

鈴木課長:ご苦労だね。よろしく頼むよ。

韓国ビジネスは、融通性とスピードを重視する

日本のビジネスは 「規則と原則」を重視し、韓国のビジネスは 「融通性とスピード」を重視するという話を以前のコラムで書きました。

今回はこれまで行ってきた韓国語企業研修を通して感じた、韓国と日本の企業文化の違いについて簡単にお話ししたいと思います。

スピード重視の韓国ビジネス

韓国語企業研修を行いながら、韓国企業に勤めている日本人社員の方を対象にアンケート調査をしたことがあります。

「韓国企業で働きながら何が一番大変ですか?」という質問に対する回答のうち、最も多かった答えが『これはイケる。とりあえず行くぞ!』という「軍隊式のビジネスです」でした。

(特に海兵隊出身の韓国人社長は、2倍のスピードで突進!!)

韓国と日本の違い

日本のビジネスのやり方が「考えてから動くスタイル」だとしたら、韓国のビジネスはとりあえずイケそうだと思ったら、「動きながら考えよう」というやり方です。

チャンスを失うことを一番の失敗だと考える韓国のビジネスのやり方は、不可能を可能にする融通性とスピードがありますが、日本のビジネスマンを戸惑わせることもしばしばあります。

そのうちの一つが、必ずしも契約書や原則、規則通りにしない場合も多いということです。

もう一つは、書面や記録を残して報告することを重視する日本のビジネスのやり方と違って、口頭で伝えて忘れてしまう場合も多い点です。

体面を重視

日本人の友人がこのような問題で韓国人上司と激しくぶつかったことがありました。

韓国とのビジネスで成功を収めるためには、理解できなくても、賞賛の言葉と指摘とを適切に使いこなすことが必要です。

なぜなら、韓国人は儒教思想の影響で、体面(プライド)を非常に重視するからです。ですから、呼び方にも注意が必要です。

김 과장(金課長)」、「이 부장(李部長)」ではなく、必ず「김 민수 과장님(金ミンス課長様)」、「이 민우 부장님(李ミヌ部長様)」という呼び方をしなければいけません。

融通性とスピードを重視する韓国ビジネス

ビジネス韓国語 会議・討論

(미팅)을/를 하겠습니다.

ミーティングをします。

오늘 주제는 (     )입니다.

今日のテーマは(  )です。

잠깐만요. 질문 있습니다.

すみませんが、質問があります。

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프로젝터를 봐 주십시오.

プロジェクターを見てください。

잠깐 쉬었다 합시다.

ちょっと休んでからにしましょう。

 *参考書籍:ビジネス指さし会話帳 – 情報センター出版局

ドラマで韓国ビジネス学習

韓国人の特徴やビジネスを理解するのにドラマ以上のものはないと思いますが、中でも2014年最高のドラマのうちのひとつにあげられる「미생(未生)」が特におススメです。

未生というのは囲碁用語なのですが、社会という巨大な碁盤の中で真摯に石を打っていく旅程を描いたという点で、国境を越えた共感のストーリーだと言えるでしょう。

韓国特有のビジネスマンたちの喜怒哀楽を理解するのに最適な資料になると思います。

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