韓国方言入門!地域ごとの特徴と使い方、済州島のユニークな方言も解説

  1. 韓国語発音

韓国にも、日本と同じでその地方ならではの方言があります。

ちょっとしたイントネーションはもちろん、同じ意味でも全く違う言葉だったりするところは、日本語も韓国語もとても面白いと思います。

韓国方言入門!地域ごとの特徴と使い方、済州島のユニークな方言も解説

韓国の方言

韓国語で方言は사투리(サトゥリ)、または방언(バンオン)と言います。

사투리(サトゥリ)は漢字がない純粋な韓国語で、방언(バンオン)は方言を韓国の漢字読みで読んだものとなります。

両方とも頻繁に使われますが、日常会話では사투리(サトゥリ)の方を使う場合がほとんどです。

方言の種類

韓国の方言は大きく6種類に分けることができます。

【京畿道】

ソウルの標準語の基礎となった『(ギョン)(ギ)(ド)(京畿道) (バン)(オン)』。

山に囲まれた地方というのもあって、硬く受け取ってしまいがちですが、その中に素朴さも感じさせてくれる口調です。

【江原道】

ほとんどの時の語尾に「(ヨ)」が付く、『(カン)(ウォン)(ド) (江原道)(バン)(オン)』。

(カン)(ウォン)(ド) (江原道)』とは逆と言っていいくらい、ゆったりとしていて柔らかい口調です。

【忠淸道】

これも逆に「(ヨ)」ではなく「(ユ)~」をほとんど付ける『(チュン)(チョン)(ド)(忠淸道) (バン)(オン』)。

【全羅道】

中国語の影響を受けていて、早口でイントネーションが激しく、感嘆詞をたくさん使う『(ジョル)(ラ)(ド) (全羅道)(バン)(オン)』。

【慶尚道】

ドラマなど多くのメディア―で接することができて、他の地方の人々に一番馴染みのあり、日本語の影響を受けていてイントネーションが日本語と似ている『(ギョン)(サン)(ド) (慶尚道)(バン)(オン)』。

【済州島】

島で使われていたため、同じ韓国人でも全く意味の分からない言葉がほとんどである『(チェ)(ジュ)(ド) (済州島)(バン)(オン)』。

韓国の屋外市場を歩く人々のグループ。

韓国の地方

これは本当に大きく分けたのであって、もっと細かくみていくとお互い近い地方だと少し似ていたり、隣町でも違う言葉を同じ意味で使っていたりすることはあります。

そして目立っている特徴と言えば、やっぱり近い国である日本や中国の影響を受けている所だと思います。

特に、『(ギョン)(サン)(ド) (慶尚道)(バン)(オン)』は日本語の名残がとても多く、イントネーションだけでなく言葉自体をそのまま普通に使っているほどです。

たとえば、爪切りを標準語では『(ソン)(トップ)(カッ)(キ)』と言いますが、『(ギョン)(サン)(ド) (慶尚道)』地方では『(ス)(メ)(キ)(リ)』と言う人がとても多いんですよ。

ソウル出身の人には通じない言葉になります。

言葉比べ

標準語 こんにちは

(アン)(ニョン)(ハ)(セ)(ヨ).

*경(ギョン)(ギ)(ド)(京畿道) (バン)(オン) 

(アン)(ニョン)(ハ)(シ)(カ)?

*강(カン)(ウォン)(ド) (江原道)(バン)(オン) 

(アン)(ニョン)(ハ)(ショッ)(ドゥ)(レ)(ヨ).

*충(チュン)(チョン)(ド)(忠淸道)(バン)(オン) 

(アン)(ニョン)(ハ)(セ)(ユ).

*전(ジョル)(ラ)(ド) (全羅道)(バン)(オン) 

(アン)(ニョン)(ハ)(ショッ)(ジ)(ラ).

*경(ギョン)(サン)(ド) (慶尚道)(バン)(オン) 

(アン)(ニョン)(ハ)(シプ)(ニ)(コ).

*제(チェ)(ジュ)(ド) (済州島)(バン)(オン) 

(ホン)(ジョ)(オプ)(ソ).

韓国の地域別の方言

2011年の夏、観客100万人を突破したアニメーション「마당을 나온 암탉(マダンル ナオン アムタッ:庭を出ためんどり)」が韓国のアニメーション史に大きな転機をもたらして話題となった。

1日中、養鶏場で卵を産んでばかりのめんどり잎싹(イプサッ:葉っぱ)は、自分が産んだ卵を1度でいいから孵化させることが夢で、いつも庭から卵を孵化させているにわとりをうらやんでいたが、ある日、養鶏場の脱出に成功する。庭を出ためんどりが、カワウソやマガモの助けを得て、マガモの卵を抱き、育てる中で繰り広げられる話だが、この映画に登場するカワウソの方言が、映画の面白さを一層引き立てている。

昔は地域色があらわになるという理由で、方言を使うことは恥ずかしいことだとされていたが、現代になって方言の価値が再評価されている。映画やドラマ、小説の中の人物が方言を使うと、観客や読者がその地域の情緒を生々しく感じとることができるからだ。

「韓国語」というと、標準語

「韓国語」というと、韓国語の標準語を指すことが多い。

韓国では1989年から「教養のある人が広く一般に使う現代のソウル言葉」が標準語として規定された。しかし、言葉は時代によって変化するので、新しく使われる言葉や古語の中から、再び使われるようになった言葉を対象に審査をして標準語の資格を付与することもある。他の国では、大抵、権威のある辞典にのっている語彙が、その国の標準語彙として認定されるのに比べ、韓国は国家機関が標準語を定めるという点が特異だ。

韓国の方言は大別すると、東南方言、西南方言、中部方言、済州方言、東北方言、西北方言の6つに分かれる。慶尚南・北道の方言を「東南方言」、全羅南・北道の方言を「西南方言」という。京畿道と江原道、忠清南・北道、そして北朝鮮の黄海道地域の大部分の方言をあわせて「中部方言」、済州島で使われる方言を「済州方言」という。また、北朝鮮地域で使われる方言は、それぞれ「東北方言」と「西北方言」に分かれる。

例えば、ソウル言葉で「이게 뭐니?(イゲ モニ?:これ何?)」

という言葉を東南方言(慶尚道地域)では、「이기 뭐꼬?(イギ モッコ?)」 西南方言(全羅道地域)では、「요것이 뭐당가?(ヨゴシ モダンガ?)」 済州方言(済州地域)では、「이게 뭐깡?(イゲ モッカン?)」 東北方言(咸鏡道地域)では、「이거이 무스겜둥?(イゴイ ムスゲムドゥン?)」 西北方言(平安道地域)では、「이어이 뭐네?(イオイ モネ?)」という。 英語の“What is this?”と同じ意味のこれらの方言のうち、ソウル言葉である「이게 뭐니?」だけが標準語として認定されるのだ。

標準語を使うと、国民がより強く一体感を感じるようになるため、韓国は政策的に標準語の使用を奨励している。また、テレビ、ラジオ、インターネットの影響力が強まるにつれ、今日では、人々の口調から地域方言の特徴を探しだすことが段々難しくなっている。

韓国の方言

地域別の方言

①なくなりました

標準語: 돌아가셨습니다.(トラガショッスムニダ)

慶尚道: 운명했다 아임니꺼.(ウンミョンヘッタアイムニッコ)

全羅道: 죽어버렸어라.(チュゴボリョッソラ)

忠清道: 갔슈.(カッシュー)

②ちょっと失礼します

標準語: 잠시 실례합니다.(チャムシシルレハムニダ)

慶尚道: 내좀 보이소.(ネチョムボイソ)

全羅道: 아따 잠깐만 보더라고.(アッタチャムカンマンボドラゴ)

忠清道: 좀 봐유.(チョムバユー)

③早くきてください

標準語: 어서 오십시오.(オソオシプシオ)

慶尚道: 퍼뜩 오이소.(ポットゥッオイソ)

全羅道: 허벌라게 와버리랑께.(ホボルラゲワボリランッケ)

忠清道: 빨리 와유.(パリワユー)

④構いません

標準語: 괜찮습니다.(ケンチャンスムニダ)

慶尚道: 아니라예.(アニラエー)

全羅道: 되써라(デソラ)

忠清道: 됐슈(デッシュー)

韓国人にも分からない済州島(チェジュ島)の方言

日本の方が沖縄の方言を聞いてもその意味が全く分からないのと同じで、韓国の人たちも陸地から離れている済州島の方言は知らない人がほとんどです。

韓国語とは思えないくらい不思議な言葉を使う済州島の方言をご紹介したいと思います。

古語や文法の違い

済州島の方言の特徴の一つは、今は使われていない古語や文法が多いのがあります。

そのため、同じ韓国人でも済州島の方言をちゃんと聞き取ることが難しいのです。

意味の違い

その方言の中でも、一番有名な表現は“(ホン)(ジョ)(オプ)(ソ)(イェ)”です。

日本語に変えると“いらっしゃいませ”や“ようこそ”の意味を持つこの言葉は、標準語で言う“(ホン)(ザ) (オ)(セ)(ヨ)(一人で来てください)”とかなり似ています。

ですが、意味は全く違うところが面白いと話題となり、多くの方が済州島の方言と言えば必ず最初に思い浮かべる言葉となったのです。

このように同じ意味でも全く違う発音をする言葉は他にもまだまだあります。

済州島方言・日本語 標準語 済州島方言 標準語
(ドック)(セ)(ギ) 卵

 

(ホ)(ウン)(デ)(ギ) 髪の毛

(ドゥ)(ガ)(シ) 夫婦

(ゴェン)(ダン) 親戚

(ソン)(キ) 野菜

(ジ)(シル) じゃがいも

(チョル)(レ) おかず

(ダル)(ギャル)

 

(モ)(リ)(カ)(ラク)

(ブ)(ブ)

(チン)(チョク)

(チェ)(ソ)

(ガム)(ジャ)

(バン)(チャン)

(デ)(マン)(セン)(イ) 頭

 

(ノッ) 顔

(ゴッ) 餌

(ヨ)(リョン) 鈴

(グ)(ドック) かご

(グ)(ドゥル) 部屋

(サン)(ゴ)(ジ) 虹

(モ)(リ)

 

(オル)(グル)

(モ)(ギ)

(バン)(ウル)

(バ)(グ)(ニ)

(バン)

(ム)(ジ)(ゲ)

おじさん=おばさん

そして、もう一つ済州島方言の面白い特徴があります。

韓国語で「(サム)(チョン)」という言葉は、通常は血のつながっている親戚のおじさんを呼んだり示したりする時に使う言葉です。

済州島ではこれを血のつながってない人に対しても使うということです。しかも、男女の関係なく使われている所がもっと面白いと思います。ご近所のおばあちゃんや友達のお父さんにも、自分よりご年配の方を呼ぶ時はみんな「(サム)(チョン)」で呼ぶそうです。

ソウルなどでは考えられない、済州島ならではの風習になります。

韓国人にも分からない済州島の挨拶

(アン)(ニョン)(ハ)(ウ)(クァ).

こんにちは。

(ジャル) (ガプ)(ソ)(ヤン).

さようなら。

(ゴ)(マプ)(ス)(ダ).

ありがとうございます。

(ジャル) (イ)(シプ)(ディ)(ガン)?

お元気でしたか?

(ト)(シ) (コッ) (ゴプ)(ソ)(ヤン).

また来てください。

(オ)(ディ) (ガム)(ス)(グァン).

どこへ行きますか?

(ジャル) (モ)(グ)(ク)(ダ).

いただきます。

(ジャル) (モ)(ゴッ)(ス)(ダ).

ごちそうさまでした。

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