時代劇で王を呼ぶ名称は多種多様です。
色々な呼び方の、それぞれにはいったいどんな意味があるのでしょうか?
レッスンの内容
時代劇で陛下・殿下・邸下・王様の呼び方
あるドラマでは「폐하:ペハ(陛下)」、またあるドラマでは「전하:チョナ(殿下)」
はたまた「주상전하:チュサンチョナ(主上殿下)」、「저하:チョハ(邸下)」
「마마:ママ(媽媽:王とその家族に使う敬称)」といった呼び方まで出てきます。
【権力の差と呼称の変化】
ペハ(陛下)は独立国や中国皇室の皇帝を指す言葉で、チョナ(殿下)は従属国や臣下国の王を指す呼び方です。
韓国も高麗中期までは「ペハ(陛下)」という呼称を使っていました。
しかし、元の支配を受けていた高麗25代目の忠烈王の時代、呼称を「皇帝」から「王」に下げて呼ぶようになりました。
また、朝鮮王朝時代、韓国が明の諸侯国になると、王と後を継ぐ息子の呼称が1段階ずつ下がります。
すなわち「ペハ(陛下)」は「チョナ(殿下)」に、「チョナ(殿下)」は「チョハ(邸下)」に下がったのですね。
そして「태자:テジャ(太子)」も「세자:セジャ(世子)」に下がります。
言葉の由来と意味
【ペハ(陛下)】
ペハ(陛下)という言葉は「宮殿に上がる階段の下」という意味から来ています。
中国では、臣下が皇帝に直接ものを言うことはなく、階段の下で護衛する人を通してのみ発言していたことから、皇帝の尊称になりました。
【チョナ(殿下)】
チョナ(殿下)は「殿閣の下」を指す言葉です。
殿閣の下にひれ伏したり、立って仰ぎ見るという意味ですね。
【チョハ(邸下)】
チョハ(邸下)は王世子、または王世孫の尊称として使われていた名称です。
意味はチョナと違って大きな家を意味する「殿」ではなく、ただの家、つまり「邸」の字を使うことにより、王より低い者という意味を表わしています。
【チュサンチョナ(主上殿下)】
チュサンチョナ(主上殿下)という呼び方は、高麗の第24代の王である元宗(1259~1274年)の時代以降、モンゴル(元の国)が高麗の王に対して使われるようになります。
娘婿なのだから「皇帝」または「陛下」という呼称を使うのは不適切だとして、高麗の王を「チュサンチョナ」とレベルを下げて呼ぶようになりました。
(実際は第25代忠烈王の時から「チュサンチョナ」の呼称が使われました)
【ママ(媽媽)】
ママ(媽媽)は王とその家族の称号の後に使われ、尊敬の意味を表わす言葉です。
(高官の妾の尊称として使われたり、朝鮮王朝時代に下の人間が尚宮を敬って呼ぶ言葉でもありました)
呼び方と服
【服の特徴】
ドラマ「大祚栄」では中国の皇帝と臣下の服を見ることができますが、中国の皇帝は黄色い服を着ています。
中国の臣下のうち身分の高い者は、朝鮮の王が着ている服とかなり似た服を着ているのが分かります。
황룡포(ファンニョンポ:黄龍袍)と呼ばれる皇帝の服は黄色で、象徴する霊物は龍です。
一方、곤룡포(コンニョンポ:袞龍袍)と呼ばれる王の服は赤で、象徴する霊物は鳳凰ですね。
それ以外にも帝国と王国の間には様々な違いがあるが、帝国の場合、皇宮の部屋数は9999。
しかし、王国の場合、王宮の部屋数は999を超えてはいけません。
【歴史の移り変わりと国の独立】
西暦660年、軍人キム・ユシン(金庾信)が国政を掌握した新羅が、朝鮮半島に唐の軍隊を引きいれて三国を統一します。
そこから、イ・ソンゲ(李成桂)が女真族の力を借りて朝鮮を建国した歴史までを見てください。
独立国だけが所有することのできる「ペハ(陛下)」という呼称を失った理由は、個人の野望のためだったと言うことが分かります。
韓国語表現
《なぐさめる・同情する》
열심히 하세요. 頑張ってください。
열심히 하겠습니다. 頑張ります。
힘 내세요. 元気出してください。
신경 쓰지 마세요. 気にしないでくださいね。
운이 나빴어. 運が悪かったんだよ。
불쌍해. かわいそう。
오늘만 날이냐? 明日があるさ。